手話言語条例 鳥取に学ぶ 県が講演会

信濃毎日新聞 5月22日
http://www.shinmai.co.jp/news/20150522/KT150521ATI090016000.php

 

県は21日、手話の普及を促す「手話言語条例(仮称)」の制定に向け、全国で初めて同様の条例を作った鳥取県の取り組みを学ぶ講演会を、長野市内で開いた。長野県内の聴覚障害者団体などから約50人が出席。鳥取県の条例作成に関わった鳥取県聴覚障害者協会の石橋大吾事務局長(42)が、条例の成果や課題を説明した。
鳥取県の手話言語条例制定は2013年10月。聴覚障害者とそれ以外の者が「相互の違いを理解し、個性と人格を互いに尊重する」とし、手話を用いた情報発信や学校教育で利用する学習手引書作成といった方策を記した。
聴覚障害がある石橋事務局長は手話で、地域や企業での手話学習会の開催、知事定例記者会見の手話通訳など条例制定で広がった取り組みを紹介。「手話に対する関心は高まっている」とした一方、手話通訳者の不足などの課題もあるとした。普及には「教育現場での手話学習の浸透が重要だ」と強調した。
長野県障がい者支援課によると、都道府県で条例を制定したのは鳥取、神奈川、群馬の3県。阿部守一知事は昨年夏の知事選で条例制定を公約に掲げており、庁内の作業部会が内容を検討している。聴覚障害者や関係団体への調査では、医療機関での手話通訳や手話通訳者の待遇改善などを求める声が上がっているという。同課は9月をめどに条例骨子案を固める。